treetreetreeallowのブログ

日常、感じたこと、考えたこと、など、少しずつ発信していきたいと思っています。

その口は何の為に

普段はおとなしく、言葉少ない上品な方である。

ひとたび前奏が流れて歌唱が始まると、水を得た魚のように、心地よい声で歌うのだ。

大抵それはソプラノであって、夏の青空のように透き通っている。

ソーダ水をグラスに満たしてかざしてみたくなる。

その泡さえもぷちぷちと跳ねるのを愉しんでいるような爽やかな音色。

伴奏が終わると、静かにその口は閉ざされる。

また何もなかったかのように、微かに笑みを浮かべている。

余計なコトバは必要ないのかもしれない。

時に饒舌な舌を持つ雀のような我をしばし諧謔する瞬間がそこにあった。